Lambic Beer

ランビックビールの醸造方法

ベルギーにしかないユニークな醸造方

ランビックビールにの醸造方法には3つのユニークな点があります。

1つ目は、培養した酵母を使わないこと。ランビックビールは、自然界に浮遊している「野生酵母」を取り込んで発酵させています。これを「自然発酵」と呼びます。

2つ目は、通常のビールには新鮮なホップを使いますが、ランビックビールの場合は3年以上貯蔵した古いホップを用いることです。

そして3つ目は、発酵と熟成に2年半〜3年もの月日をかけていることです。長期間発酵と熟成をおこなうことにより、ランビックビールの独特な酸味に効いた爽やかな味わいが生成されます。

ランビックビールの仕込みは通常のビールと同様に、糖化から始まりますが、糖化がまに入れる原料が通常にビールとは少し異なります。

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ランビックビールを代表する「カンティヨン醸造所」の場合、大麦麦芽65%と、麦芽にしていない生の小麦35%を一緒に粉砕してマッシュタンに入れ、温度を45℃〜72℃に上昇させながら、2時間かけて麦のデンプンを糖分に変えています(糖化)。生の小麦を使ってビールを作っている国はベルギー以外にはありません。

屋根裏に棲む野生酵母が甘い匂いに誘われる

糖化の後の煮沸(シャフツ)工程ではホップを煮るが、古いホップを使うだけでなく、3時間〜4時間も煮続けるところが通常のビールの醸造とは異なってきます。これは、ホップの樹脂に含まれるタンニンを大量に抽出してビールの保存性を高める為です。

煮沸を終えた麦汁は、屋根裏部屋に設けたクールシップ(プールのような形をした銅の冷却槽)に移動され、自然の冷気で冷やされます。

40℃まで下ったとき、屋根裏部屋の中を浮遊している野生酵母が甘い匂いに誘われて麦汁の中に飛び込んできます。その後、野生酵母の入った麦汁をオーク又は栗の樽に移します。

数日後に樽の中で発酵が始まります。通常のビールであれば発酵が4日〜8日で終わるところ、ランビックビールは2年半〜3年もの時間をかけて発酵させます。この間に、乳酸によってランビックビール特有の強い酸味とタクアンやナメシ革に煮たフェのリックな香りが醸し出されます。

ランビックビールの醸造プロセス

  1. 大麦麦芽(65%)と、生の小麦(35%)を混ぜ合せてミルで粉砕
  2. 粉砕した穀物をマッシュタンに入れて糖化させ、麦汁を作る(45℃〜72℃で2時間)
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  3. 沸騰釜で麦汁を煮込む(古いホップを加えて3〜4時間)
  4. 麦汁を屋根裏のクールシップにうつして冷却(40℃に下ったとき野生酵母が侵入)
    Lambic
  5. オークまたは栗の樽に入れて発酵(2年半〜3年)
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  6. ストレート・ランビック完成
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  7. さらに。。。
    3年間発酵させたランビックは、1年間しか発酵されていない若いランビックと3:7の割合でブレンドし、シャンパン・ボトルに詰めて半年以上熟成させると、「グーゼ・ランビック」の完成です。
    また、2年間発酵させたランビック500Lにチェリー、ランビックまたは他のフルーツ150kgを漬け込んで樽で約半年間エキスを抽出します。そして1年未満のランビック150Lを加えてシャンパン・ボトルに詰め、さらに半年以上熟成させると「フルーツ・ランビック」の完成です。

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